「親の背中を見て子供が育つ」は本当だと思う理由
「親の背中を見て子どもは育つ」って本当ですよね。私の現在の生き方は、かなりの割合で親の影響を受けています。
そして、親の背中を見て「見習おう」と思ったところは真似をするようにし、「これは反面教師だ」と思う部分は、絶対に真似しないよう注意しています。
特に「反面教師になったエピソード」はよく覚えていて、現在の人生の選択は、親を見て「これだけは真似しないようにしよう」という教訓を得たことで成り立っているんだと、この歳になってしみじみ感じるのです。
特に反面教師になったエピソードは「子育て中の態度」
これは私の母親のエピソードなのですが、私の家は歳の近い2人姉妹だったので、常に母は「幼い子ども2人」を見ながら家事をやったり、買い物をしたりと忙しくしていました。
当時を振り返ると、父は殆ど私たちの面倒など見ていなかったと思います。
仕事だけして、子どもの世話は妻に任せっぱなし。
なので、母親は「ワンオペ育児」を頑張っていました。
また、当時の私の家は「父方の祖父母が同居」しており、母にとっては舅と姑に気を遣わなければなりませんでした。
ここで「同居なら、舅や姑に子どもの面倒を見てもらえば良いのでは?」と思ったかもしれませんが、それが出来ない事情が我が家にはありました。
祖父は下半身不随、祖母は片足が自分で動かせないといった状態のため、とても幼い子どもの面倒など見られる状態ではありません。
このような環境下で子育てしていた母は、余裕がなかったため常にイライラしていました。
そりゃそうですよね。
ワンオペ育児のうえ、気を遣う舅アンド姑との同居生活だったんですから。
そのうえ、子どもを預けることも出来ないとなると、余裕がなくなるのは当然だと思います。
これが舅と姑と同居していなければ状況はかなり違ったかも知れませんが、情けない話、うちの父親の稼ぎがそれほど良いとは言えないレベル。
(確か、当時の父の月収は手取りで22万円程度だと言ってました。その頃の日本はバブルでガンガン稼げた時代なのにね・・・。)
だからこそ「家賃を削減するための同居」だったのかも知れません。
しかし、それが母をイライラさせ、結果として子どもの私に「反面教師」として映ってしまったのです。
私の選択は「お金に余裕がない状態で子育ては絶対にしない」こと
そんな母親を見て私が下した人生の決断・・・。「絶対に、お金に余裕のない状態で子どもを育てることは止めよう。
もし、お金が十分ある状態でなければ、子どもは持たない。」ということを。
そして、就職氷河期に就活した私は、
面接を落ちに落ちまくった後、
給料水準が平均以下の中小企業に拾われて数年ですがOLとして働くことに。
(※ちなみに、その中小企業は現在もう倒産してしまったそうです)
その時、すでに選択は「子どもを持たない」の一択でした。
なぜなら、自分がバリバリ稼げるような人間じゃないことが分かったから。
それに、玉の輿を狙えるような美貌もないですしね。
だから、子どもを持つか、持たないかの選択では比較的早い段階で「持たない」の方に舵を切った訳です。
やっぱり「イライラした状態で子どもを育てたくない」ですからね。
20年後の答え合わせ。自分の選択についてどう思うか?
そんなこんなで40代になった今、私は自分の選択について一体どう思っているか?当時の選択は、私にとっては最適かつ正しい選択だったと思っています。
私は、エリートサラリーマンではないですし、大富豪でもありません。
会社員時代の給料は、平均ラインよりも下でした。
そんな私が、もし子どもを持つことになってしまったら、金銭面でも時間という面でも生活に余裕が無くなることは火を見るよりも明らかですから、恐らく自分の母親のようにイライラしながら子どもを育てていたことでしょう。
そんな状態になってしまうと、一番の被害者は子どもになる訳ですから、そうならなくて本当に良かったと心から思うのです。
やはり、幼少期に生活に余裕がなくてイライラした母親の態度を見て
「自分は絶対にそうならないようにしよう」
といった教訓を得たことが、人生の選択の決め手になったのだと思います。
もしかすると、近い未来で全国民にベーシックインカムなどが導入され、収入額に関係なく誰もが余裕を持って子育てできる環境が整っていくという可能性も残されているので、そこに期待したいところですね。